子どもたちの交流の場をサポートします:ウクライナ難民支援@モルドバ

ロシアによるウクライナ軍事侵攻が長期化する中、隣国モルドバに逃れた難民の女性や子どもたちは、不慣れな土地での避難生活を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]はルーマニア国境に近いファレスティ県で、難民とホストコミュニティ(受け入れ地域)双方の子どもたちが交流するコミュニティセンターの支援を近く本格化します。


コミュニティセンターで子どもたちに話を聞くAARキシナウ事務所の平出唯=モルドバ中西部ファレスティ県

「モルドバの人たちと上手くコミュニケーションできなくて」「うちの子どもと地元の子たちが仲良くなってくれるといいのですが…」。ウクライナ人道危機が始まって7カ月余り、モルドバに滞在する母親たちから不安の声が聞かれます。

ファレスティ県では当初の難民避難センターが閉鎖され、主にウクライナ南部から避難して来た約250人が家を借りるなどして暮らしています。成人男性の出国が原則禁じられているため、難民の4割超が子ども(乳幼児~17歳)、大人の8割は女性です。


センターで工作を楽しむ子どもたち

事態の長期化を受けて、難民と地域住民が交流するコミュニティセンターが地元行政などによって開設され、AARは当面の支援として家具・調度品を提供しました。運営に関わる地元関係者は「この町にも難民の中にも子どもが多く、正規の学校教育とは別に、異文化や多様性を理解したり、コミュニケーション能力を高めたりする地域ぐるみのノンフォーマル教育が必要になっています」と話します。

AARは今後、同センターを主として子どもたちの活動の場として活用し、難民と地元双方の子どもを100人程度、週5日受け入れて、ディベート(討論)や映画鑑賞、スポーツ、工芸などの活動を通じて、異文化理解の促進とコミュニケーション能力の向上を図る計画です。心理相談員を置いて子どもたちを心理面でもサポートするほか、母親たちが参加できるプログラムも検討します。


活動に参加するウクライナ・モルドバ双方の子どもたち

難民と受け入れ地域住民の確執は世界各地で起きており、相互理解を醸成する「社会統合」が難民支援の今日的な課題になっています。モルドバ定住を希望するウクライナ難民も少なくない中、AARは難民と住民が一体となって暮らせる地域づくりを支えてまいります。引き続き、AARのウクライナ難民・国内避難民支援へのご協力をお願い申し上げます。

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