みんなの遊び場ができたよ ! :ウクライナ難民支援@モルドバ

AAR Japan[難民を助ける会]は、約10万人のウクライナ難民が滞在する隣国モルドバの首都キシナウで、子どもたちが遊ぶためのスペースを開設し、人形やボードゲームなどのおもちゃを提供しました。現地から支援事業部の平出唯が報告します。

 

学生寮の一室に設けられた遊び場でシャボン玉をして遊ぶ子どもたち=キシナウで4月19日

 

ロシアの軍事侵攻を受けて周辺国に逃れたウクライナ難民は、成人男性(18~60歳)の出国が原則禁止されたため、女性と子ども、とりわけ若い母親と幼い子どもが大半を占めます。キシナウにある大学の学生寮には約20人の親子が身を寄せていますが、子どもたちが自由に遊べる場所がなく、お母さんたちは頭を悩ませていました。

 

遊び場でくつろぐ母親と子どもたち

 

新たな難民が到着して子どもの数も増えたことから、AARは学生寮の管理者と相談して部屋のひとつを子どもたちの遊び場として開放するとともに、人形やボードゲーム、車のおもちゃ、塗り絵、シャボン玉などを提供しました。母親のひとりは、早速おもちゃで遊び始めた子どもの様子を見守りながら、「年齢が近い子どもがたくさん暮らしているのに、一緒に遊ぶ場所がなくてかわいそうでした。子どもたちはおもちゃをもらって、久しぶりに思う存分遊んでいます」と話しました。

 

お医者さんごっこでおどける子ども

 

激しい軍事攻撃を目の当たりにした子どもたちの中にはトラウマを抱えた子もいて、別の母親は「ウクライナで爆音を聞いて怖がっていた娘は、モルドバに来てからもドアが閉まる音にさえ怯えています。このスペースができて、今は同年齢の子どもたちとボードゲームで嬉しそうに遊んでいます。ここで楽しく過ごして、少しでも心の傷を癒してくれれば」と安心した表情を見せてくれました。

 

子どもたちの相手をするAARの平出(右奥)

 

AARは3月以降、学生寮や公共施設で暮らす難民の人々に温かい食事や食材、洗濯機などを提供しています。今後もニーズを見極めながら、きめ細かい支援を実施してまいります。AARのウクライナ難民支援へのご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

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