被災したご高齢者宅や福祉施設を支援

佐賀県を中心に甚大な被害をもたらした記録的大雨(令和3年8月豪雨)の発生から約2週間、AAR Japan[難民を助ける会]は被災した障がい福祉施設、在宅避難を続ける高齢者宅を中心に物資配付などの緊急支援を続けています。

 

「羊かんの甘味が疲れを癒してくれて、片付け作業がはかどります」。AARは特に深刻な浸水被害を受けた同県武雄市、大町町の障がい施設や指定避難所などに、協賛企業である和菓子の老舗、株式会社虎屋からご提供いただいた小形羊かんをお届けしました。同社は国内災害の被災地支援の際にいつも羊かんを送ってくださり、心身ともに疲れ切った被災者の皆さんにたいへん喜ばれています。

 

(佐賀県武雄市のNPO法人つくしのさと北方作業所で虎屋の羊かんを手渡すAARの大原真一郎(右)=2021年8月24日)

 

また、武雄市北方町久津具地区で20~25日に実施したキッチンカーによる炊き出しの弁当配付は、「奥さん方は皆、本当に助かったと感謝しているよ。体力的にも精神的にも疲労がピークなので、浸水した床板をはがして泥だらけの炊事場で自炊する気力なんてないからね」(70代男性)など感謝の言葉をいただきました。

(武雄市北方町久津具地区の被災者宅に炊き出しの弁当を届けるAARの生田目充(右)=8月23日)

 

現在は地域の障がい者が働く共同作業所などの福祉施設、在宅避難を続ける独り暮らしの高齢者宅などを訪ね、地元行政とも連携しながら被害状況や必要な支援を聞き取り調査したうえで、衛生用品や調度・備品類、乾燥用の大型扇風機などを届けています。

(佐賀県大町町でNPO法人エガリテが運営する共同作業所きばごんで被災状況を聞き取り調査する生田目(右)=8月23日)

 

(浸水被害を受けた武雄市北方町のNPO法人ガラパゴスが運営する児童支援事業所の復旧作業=8月26日)

 

今年8月11日以降の大雨では、2019年8月の佐賀豪雨を上回る河川氾濫や土砂崩れが発生し、床上・床下浸水3,000件以上、農業や地場産業にも多大な被害が出ています。AARは引き続き、障がい者施設の早期復旧に向けた物品提供など支援活動を実施してまいります。AARの被災者支援活動へのご理解・ご協力を重ねてお願い申し上げます。

 

※AAR Japanは被災地での支援活動の際、コロナ感染拡大防止策を徹底しています。関連機関のガイドラインを参考に独自の「新型コロナウイルスの影響下における国内緊急支援ガイドライン」を策定し、東京事務局の職員が現地入りする際はPCR検査で陰性結果を確認したうえで、マスク着用や手指消毒をして施設を訪問しています。