AMDA令和2年7月豪雨(熊本県球磨地方)被災者緊急支援活動 中間報告書(8月5日作成)

この活動につきまして、皆様のご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。

以下、8月5日時点での中間報告となります。

皆様のご支援に心より感謝申し上げます。

 

【活動内容】

 

1) 人吉市・球磨村

 

①避難所での診療と健康相談 (76日~10)

 

球磨村の避難所である球磨村総合運動公園に隣接する「さくらドーム」、さくらドーム近くの自主避難所である「寿泉寺」にて避難者の健康に関する声かけを行ったが、いずれも緊急対応の必要がないことを確認した。

 

8日より熊本県職員、熊本県・球磨村の保健師、TMATDMATなどの医療支援団体と、球磨村の方が避難する「人吉市立第一中学校(10日時点避難者116人、以下第一中学校)」にて活動を実施。AMDA医師らは蜂窩織炎(皮膚の感染症)や外傷、体調不良など訴える避難者の診療や健康相談を行った。また、オンコールで、真夜中に避難所の看護師から寄せられる、めまい、外傷、小児の嘔気、不眠症など様々な症状の訴えに対して対応した。

 

 ②避難者情報・要支援者情報整理 (78日~10)

 

第一中学校において、球磨村保健師・熊本県保健師の要請により、避難所運営に必要な情報を地元の保健師に引き継ぐため、AMDA看護師らは保健師らとともに避難者の健康面に関する聞き取りを実施。その結果をDHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)らとまとめた。また、最終日前夜から翌日午前中まで、引継ぎを目的に当直に入り、特に注視する必要がある避難者への声かけなどを当直の保健師と行った。

 

 ③物資提供 (78)

 

第一中学校において、避難されている方の中に熱中症の症状が見られたため、緊急で経口補水液を避難者全員分用意、担当者に渡した。更に、マスクや手袋、医療ガウン、フェイスシールドなどの医療資材も避難所に提供した。

 

また、AMDA調整員(赤磐市職員)は物資支援の可能性を念頭にニーズ調査を実施し、球磨村から避難されている方々が経口補水液を含む飲食物などを必要としていることが判明。赤磐市は10日、支援物資と一緒に赤磐市職員を派遣。AMDA調整員(赤磐市職員)はこの職員と同日夕方合流し、第一中学校やさくらドームに物資を渡した。

 

 ④災害鍼灸・柔道整復師による施術 (711日~19)

 

第一中学校での長引く球磨村の方々避難生活を踏まえ、様々な調整の上、10日には人吉保健所での登録を完了。第一中学校に「ケアルーム」としてベッドなどを整備、翌日11日より柔道整復師による施術を開始し、延べ64(1人はテーピング指導のみ)が施術を受けた。15日には鍼灸師による活動も開始し、延べ21人(内1人は電気温灸器を使用)が施術を受けることができた。体の痛みなどを和らげるだけでなく、被災された当時のことや将来への不安、悩みなどを吐露する機会となった。

 

*新型コロナウイルス感染症対策: 施術を前に、岡山県感染症対策委員会委員として現在、新型コロナウイルス感染症対策に携わるAMDA医師らに助言を求めた。さらに、AMDA医師はケアルームを視察、感染防止対策として「アルコールによる手指消毒の徹底」「マスクの着用」「ベッドのアルコール消毒(上半身部分を中心に)」「タオル、シーツの交換」など、改めて治療の始めから終わりまでの動線も含め確認した。

 

 

 

2) 相良村

 

 ①保健師支援 (712日~22)

 

12日に人吉保健所長より人吉市に隣接する相良村の保健師支援について要請を受けた。相良村役場にて保健師及び職員より、「村の一部が前日(11)の大雨で再度浸水したこと」、「200世帯の避難状況、健康状態などが確認できていないこと」、そして「保健師が通常業務と並行して、被災世帯の把握など多くの業務を抱えていること」との事情を伺い、同村保健師とともに戸別訪問を行う保健師支援を実施。聞き取りする中で、被災当時のこと、現在の感情、将来への不安などのお話も伺った。

 

②物資提供

 

戸別訪問等で見た被災状況から「猛暑の中で、家の片付けなど屋外の作業がしばらく続くのでは」と思い、役場の方にご相談の上、経口補水液など3箱を提供した。更に、保健師より、避難所のシャワーにシャワーチェアの設置についてご相談を受けた。AMDA1台購入し、7月31日に保健師より設置のご報告があった。

*722AMDAは熊本県での上記活動を一旦終了したが、引き続き状況を注視し関係者とも連絡をとりながら、被災した施設への物資支援など、支援ニーズに合わせて対応していく。