九州豪雨:独自開発メニューを避難所で初めてご提供

このたびの豪雨により亡くなられた方々に哀悼の意を捧げ、ご遺族にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

今月上旬の九州豪雨(令和2年7月豪雨)は、熊本県内だけで死者65人に上る甚大な被害をもたらし、その後も日本各地で大雨による被害が広がっています(死者77人:7月18日現在/内閣府)。被災地で懸命の復旧活動が続く中、AAR Japan[難民を助ける会]は7月5日以降、NPO法人ピースプロジェクトと協力して、熊本県内の避難所で炊き出しを実施しているほか、被災した障がい福祉施設に衛生用品や飲料などをお届けしています。

 

熊本県八代市千丁コミュニティセンターでの炊き出し調理の様子(7月18日)

 

炊き出しチームが7月18日、同県八代市千丁コミュニティセンター、芦北町しろやまスカイドームでご提供した食事は、避難所向けメニューとして独自に開発した「豚肉と昆布の炒め煮弁当」でした。AARは「糖尿病や高血圧の方など食事への配慮が特に必要な方に提供する炊き出しメニューを作りたい」と薬樹株式会社(本社:神奈川県大和市、入江充社長)およびオブザーブ企業(㈱メディカルシステムネットワーク、㈱パル・オネスト、㈱フォーラル)に相談し、メニュー開発を進めていました。出来上がったメニューの中から、薬樹の管理栄養士の方が「栄養バランスが良く、おいしくて食べやすいもの」として開発してくださった特別メニューがこの日のお弁当です。

 

今回は設備が整ったコミュニティセンターの調理室をお借りしていることから、現場で初めて調理・提供することができました。避難されている皆さんからは、「私たちの健康を考えて栄養バランスの良い食事を作ってくれましたね」「こういう料理が食べたかった」「コブの良い味が出ていて、とてもおいしかった」と大絶賛の声をいただきました。今回の経験をもとに、さらにメニュー開発を進める予定です。

 

初登場「豚肉と昆布の炒め煮弁当」

 

翌19日は上記2ヵ所で「タケノコご飯弁当」などをお配りしたのに加え、同県人吉市で初めての炊き出しを行いました。避難所になっている同市立第一中学校では、すでにお弁当が支給されていることから、具沢山味噌汁をご提供しました。新型コロナウイルス感染に十分配慮しながらの支援活動のため、配膳は同県内の方だけにお任せしましたが、「おいしかった! 久しぶりに温かい食事をいただいた」などの声が多数聞かれました。炊き出しには何社もの協力企業から寄せられた食材を活用したほか、被災地の多くの皆さんにご協力いただきました。

 

AARはコロナ感染対策を徹底しながら、熊本県内の避難所での炊き出し、障がい福祉施設の運営再開支援を続けてまいります。皆様からの温かいご支援を重ねてお願い申し上げます。