九州豪雨:熊本の福祉施設に緊急支援物資を届けました

支援物資をお届けした熊本県人吉市の社会福祉法人「白いキャンバス福祉会」(2020年7月9日)


九州から東日本へと被災地域が広がっております。このたびの豪雨により亡くなられた方々に衷心よりお悔み申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

観測史上記録的な大雨となった九州南部豪雨は、広い範囲で洪水や土砂崩れによる甚大な被害をもたらし、熊本県内だけで死者53人/心肺停止2人/行方不明12人に上り、山間部などの2,190世帯が孤立状態にあります(内閣府/7月9日午前6時30分現在)。大雨の中心は西日本から東日本に広がり、岐阜県などでも大きな被害が出ていますが、九州では今後も新たな被害の発生が懸念されます。

 

AAR Japan[難民を助ける会]は7月5日、NPO法人ピースプロジェクトと協力して、熊本県八代市、芦北町の避難所で炊き出しを実施しているほか、9日には同県人吉市で甚大な被害を受けた社会福祉法人「白いキャンバス福祉会」に緊急支援物資を配付しました。同福祉会は主に知的障がいのある方々の就労支援施設として、約20人の利用者が手織り機を使った「さをり織」、切り干し大根の袋詰めなどの作業に取り組んでいますが、近くを流れる球磨川があふれ、建物の1階部分が浸水しました。

 

AARは障がい関連団体などと情報共有して被害状況を調査する中で、同福祉会の被害を把握し、緊急派遣チームが施設を訪ねて扇風機、軍手、延長コード、作業服、アルコール消毒液をお渡ししました。職員やボランティアの方々が清掃作業に追われており、今坂豪志施設長は「施設復旧に向けて総出で掃除をしているので、支援物資を届けていただいて本当に助かりました」と話しておられました。同福祉会は利用者のための送迎用車両3台も浸水してしまい、運営再開に向けてさらなる支援を必要としています。

 

AARは大規模災害時、支援が届きにくい障がい者福祉団体・施設を優先して支援活動を行っています。今回は新型コロナウイルス感染対策として、遠隔でできる限りの情報収集を行い支援先を特定し、聞き取り調査に際して必ずマスクを着用するなど、細心の注意を払いながら活動しています。コロナ禍と豪雨の二重の困難に苦しむ被災地の方々を支え、一日も早く通常の生活に戻れるよう、皆さまの温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。