中国:表現の自由を行使して拘禁された5人に自由を!

(C) Amnesty International/ Adrien Stanziani

 

2022年2月から3月にかけて、北京冬季オリンピック・パラリンピックが開催されます。中国政府は、スポーツの祭典の華やかさ、威信、一般の人びとの関心を最大限に利用して自国のイメージを国際的に向上させようとしています。その一方で、国内で起きている数々の人権侵害から人びとの目をそらそうとしています。

 

特に表現の自由は、中国当局により組織的かつ大規模に侵害され続けています。今この瞬間も、表現の自由を行使した多くの市民ジャーナリスト、学者、人権・環境活動家、少数民族や弁護士などがターゲットにされ、不当な理由で逮捕され拘禁されています。

 

例えば、次のような人たちが逮捕・拘禁されたり、場合によっては「行方不明」になっています。

 

●張展さん

新型コロナウイルス感染症拡大の震源地となった武漢を市民ジャーナリストとして取材し、現場の様子を発信しました。一時、「行方不明」状態となり、その後、社会騒乱挑発罪で4年の実刑を言い渡されました。

 

●イルハム・トフティさん

ウイグル人のイルハムさんは、ウイグル人の権利擁護や民族間の融和・相互理解を長年訴えてきました。無期刑の判決を受けて現在も服役中です。

 

李翘楚さん

中国国内の#MeTooキャンペーンに積極的に関与し女性の権利を訴えてきました。「国家権力転覆罪」で起訴され、現在も拘禁されています。

 

高智晟さん

人権派弁護士の高さんは、中国における人権活動家への迫害を国内外に訴えるためにハンガーストライキ・キャンペーンを組織し、その直後に逮捕されました。中国当局から受けた迫害についての手記を発表した翌年、「行方不明」となりました。

 

リンチェン・ツルトリムさん

チベット自治区の僧侶。中国当局によるチベットの宗教・文化・言語の同化政策などについて個人的な意見を発信し、4年6カ月の禁固刑を言い渡されて服役中です。

 

ここに紹介した5人をはじめ、市民ジャーナリスト、学者、人権活動家、少数民族、人権派弁護士は、自らの信念や政治的意見、政策批判を発信しただけで厳しい迫害を受けるリスクが高い人びとです。

 

中国政府は、国際人権基準やオリンピック憲章に沿って中国国内で人権の保護に誠実に取り組む姿勢を示さなければなりません。そのために、まずは、平和的に表現の自由を行使しただけで拘束されているこれら5人をはじめとしたすべての人びとを釈放するよう、中国政府に求めてください。

 

▽署名する

https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/cn_202201.html