大阪医科薬科大学医学部4年生15人が、あおぞら財団にて、公衆衛生学実習の1日目を実施しました。
テーマは、「大気汚染公害被害のフィールドワークとステークホルダーへのヒアリング」。今年で3回目です。
1日目の6月25日(木)は、西淀川公害の歴史や現在のまちづくりを、実際に現地を歩き、多様な立場の方のお話を通して学びました。
・雨の中、西淀川区を歩くフィールドワーク
午前中は、阪神なんば線出来島駅を出発し、国道43号、あおぞら苑、千舟診療所、大野川緑陰道路、姫里小学校周辺などを巡るフィールドワークを行いました。
あいにくの雨となりましたが、学生のみなさんは熱心に歩き、現在の道路環境や住宅地、公害の歴史を伝える場所を自分の目で確かめていました。

雨の西淀川を巡りました
西淀川区では、公害裁判や住民運動をきっかけとして道路環境の改善や緑道整備などが進められてきました。一方で、自転車通行空間など、現在も地域課題が残っていることについても現地で確認。公害の歴史が現在のまちづくりにつながっていることを学びました。

西淀川区民がつくった道、大野川緑陰道路
・公害の被害を経験した方、企業側にいた方、それぞれの立場から学ぶ
午後には、あおぞら財団より、西淀川公害の概要と和解後の取組について説明しました。

岡崎さんから公害について語ってもらいました

西淀川に来て、お子さんと一緒にぜん息に苦しみました
続いて、西淀川公害患者会の語り部である岡崎久女さんから、公害が最も深刻だった時代の様子や、子どもと共に苦しんだぜん息、生活への影響、そして現在の暮らしについてお話しいただきました。
さらに、元神戸製鋼訴訟担当で、あおぞら財団元理事の山岸公夫さんからは、「西淀川大気汚染公害訴訟を企業サイドからみる」をテーマにお話しいただきました。企業側の考えや訴訟の経過など、普段なかなか聞くことのできない視点から学ぶ貴重な機会となりました。
・学生のみなさんの感想
ふり返りでは、次のような感想が寄せられました。
・語り部さんから、息ができないほど苦しかった当時の生活や、裁判を続ける大変さについて伺い、公害の深刻さを実感した。
・現在の澄んだ空からは想像できないほど、西淀川が煙や汚染に覆われていた歴史を初めて知った。
・現地を歩いたことで、公害裁判が現在の交通環境やまちづくりにつながっていることを実感できた。
・公害の歴史は過去の出来事ではなく、現在のまちづくりや環境政策にもつながっていることがよく分かった。
2日目は、ロールプレイや弁護士、医師などのステークホルダーへのヒアリングを通して、公害地域の再生や環境まちづくりについて、さらに学びを深めていきます。
(谷内)