裁縫教室とスマートフォン

いまやスマホは若者の必須アイテム

 

最近裁縫教室の先生方を悩ませている問題があります。スマートフォンです。タンザニアでもいまや多くの人がスマートフォンを使っています。麓のモシの町に行けば、画面に指を当ててピンピンと画面をスクロールされている姿を普通に見かけることができます。

 

それは村でも同じことで、とくに若者にとってスマートフォンはもはや必須アイテムと言えます。

 

しかしそれにしても、その奥にはもう森しかないという村の中でも一番標高の高い村外れにあるTEACAの裁縫教室で、よもやスマートフォンが問題となるとは・・・。

 

事の始まりは、長期休暇を終えて教室に戻ってきた生徒の何人かスマートフォンを持ってきたことです。裁縫教室に通っている生徒たちは、様々な理由で中学校に進学する機会に恵まれなかった女の子たちが中心です。いくらスマートフォンが若者の必須アイテムとはいえ、小学校を終えたばかりの生徒たちにはまだ縁遠いものだったといえます。

 

しかし寄宿制度が始まったことから遠方の親と連絡を取る必要もあり、携帯電話(いわゆるガラケー)を持っている生徒はいました。おそらく長期休暇中に親御さんに頼んで買ってもらったのでしょう。

 

それからというもの、昼となく夜となく生徒たちがスマートフォンをみんなで覗き込んで離れません。いろいろ遊びたい気持ちは分かるのですが、授業にまで影響が出てくるとなると話は別です。授業中もこっそりスマフォを見たり、それよりなにより休み時間が過ぎてもスマホにつかまってみんな教室に戻ってきません。

 

先生方もさすがに我慢の限界、朝教室に来たらスマホはもちろんガラケーも全部集めて書棚に入れて鍵をかけることにしました。学校にいる間は一切使わせないとの方針ですから、休み時間ももちろん使えません。生徒たちは当然不満、いや大不満ですが、学校に来ている間に電話を使う必然性はなく、この措置を続けています。

 

初めからルールを決めていれば問題にもならなかったのかもしれませんが、スマホのことなど頭の隅にもなかったため、完全に虚を突かれた出来事でした。