「ミツバチの森」づくりは第2段階へ

蜜源として植えられた花にやってきたミツバチ

 

キリマンジャロ山で取り組んでいるミツバチの森づくりでは、来年、展示林の造成に着手することにしています。展示林では苗木の植林後、開花し始めるまでの年数がおよそ3年、5年、10年と異なる蜜源樹を組み合わせ、養蜂導入の迅速化と、中長期的に安定して蜜源が確保される環境の創出を目指します(1年で花を咲かせる草本も組み合わせます)。

 

展示林では同時に養蜂も実施し、キリマンジャロ山の住民が自由に訪れ、養蜂の実際に触れ、学ぶことのできるモデル事業地にしていきたいと考えています。これまでに植林地の選定を終え、蜜源樹1,750本の育苗が始まっています。

 

蜜源樹の一つCallistemon speciosus

 

キリマンジャロ山では、村人たちが日々利用してきた里山の森(“ハーフマイル・フォレスト・ストリップ”と呼ばれていた)が国立公園に取り込まれ、村人たちは生活の維持に困難を来すようになっています。様々な森林資源の利用ができなくなっただけでなく、収入の柱であったキリマンジャロコーヒーの栽培も、多くの村人が放棄に追い込まれています。森の水源からコーヒー畑に水を供給していた伝統水路の維持管理ができないうえ、畑に栄養(厩肥)を供給していた家畜も、森に飼い葉を刈りに行けないことから手放さざるを得ず、畑の地力維持もできなくなっているためです。

 

このような状況に対して、養蜂はタンザニアでハチミツが高い価格で取引されていることから、家計収入の減少を補う手段となり得ます。

 

また養蜂は豊かな自然と豊富な蜜源の存在に支えられるものであることから、キリマンジャロ山の森を守り、さらには増やしていこうという村人たちの意欲も支えていきます。

 

当会は展示林の造成によって、キリマンジャロ山での養蜂の展開にさらに力を入れていくことにしています。