コロナの影響はミツバチにも

養蜂箱の内検作業風景。撮影は以前のもの。今回は撮影どころではなかった

写真: 養蜂箱の内検作業風景。撮影は以前のもの。今回は撮影どころではなかった

 

 

キリマンジャロ山で適正技術による改良養蜂箱の普及を目指している本プロジェクトですが、ここ1年、コロナの影響で思うような取り組みが出来ない状況が続いています。

 

当初は村人たちが集まってフィールドに設置されている養蜂箱(既成技術によるもの)の内検作業ができないという形で影響が現れました。しかしその後は体調を崩す人が出てきて本当に内検どころではなくなってしまいました。現地ではPCR検査費用は村人には手の出せない高額で、コロナかどうかの確認のしようもありません。とにかく人が集まることを避け、お互いの感染防止に努める以外に手がありません。

 

一方、養蜂にとっては昨年からの天候不順も大きく影響しました。本来大乾期であるはずの10月に続いた大豪雨のせいか、開花時期を迎えた蜜源となる木々の花がまったく咲きません。ミツバチたちには非常に厳しい環境になっています。

 

3月に久しぶりに内検作業をしたのですが、食糧(花蜜)がないこと、人慣れしていたハチたちがすっかり人を警戒するようになっていて、大変な気の立ちようで、近づきがたいほどでした。

 

それでも何とか状況を確認しようとしたのですが、あっという間にハチたちに取り囲まれ、20数カ所も刺されてしまいました(一応防護服を着ていたのですが、うっかり長靴を履いていなかったため、靴とズボンの隙間を狙われました)。

 

アフリカにいるミツバチは「アフリカミツバチ」ないしは「アフリカナイズドミツバチ」とも呼ばれ、攻撃性が極めて強いことで知られています(別命「killer bee」とも)。しかしこんな経験は初めてで、あらためてハチの恐ろしさを味わいました。養蜂でミツバチハチに襲われた際には、むやにみ振り払ったりせず、背を低くしじっとしているのが定石ですが、そんなものはおかまいなしで刺してくる刺してくる、たまらず逃げだし300メートルほど遠ざかっても、まだ追いかけてきます。ヤブを抜け丘を登りしてもまだ追いかけてくる。。。その執念深さにはほとほと参りました。

 

現地ではこれから大雨季に入り、気温も下がってきます。季節的にも内検には不向きな時期となるため、当面現場作業は見合わせるしかなさそうです。

 

改良養蜂箱の設計もドラフトは完成していますが、現地技術への適合という点でまだまだ不十分で、さらに修正が必要と感じています。あれこれ試行錯誤しながら改良を重ねていくつもりでいます。

 

まだまだ試行錯誤の改良養蜂箱

図: まだまだ試行錯誤の改良養蜂箱