仙台市域に暮らす障害のある人と地元クリエイターが「東北楽天ゴールデンイーグルスの応援グッズ」づくりに取り組みました

SHIRO Lab.は仙台市域に暮らす障害のある人と地元クリエイターが、一緒に商品開発を行うプロジェクト。

その成果を障害のある人たちの経済的自立につなげることを目的としています。

3回目の今回も楽天生命パーク宮城を舞台に「東北楽天ゴールデンイーグルスの応援グッズ」づくりに取り組みました。

一年間の取り組みの経過を報告・掲載します。

 

 

事業の内容(実施期日,場所,参加人員等)

 

(1) デザイナーよ!来たれ!プレイベントを開催

実施日: 2018年7月14日(土)14:00-16:00 

会場:THE6 3F ワークラウンジ

デザイナーのインキュベーション施設でもあり、2016年度にデザイナーの参加広報に御協力いただいたTHE6を会場に、「6LABO vol.28 SHIRO Lab. × 6 LABO障害のある人現の魅力をひきだすデザインの力@仙台」と題してグラフィックデザイナー福島治さんをゲストに迎え、障害のある人の表現とデザインについて考えるイベントを実施しました。あわせて、48時間デザインマラソンの開催と参加者の募集を広報しました。

 

(2) 試合観戦&チームの顔合わせ

実施日: 2018年8月21日(火)17:00

会場:楽天生命パーク宮城

参加者:35人(個人3名、福祉事業所4団体、デザイナー9名)

エントリーシートをもとに事前にファシリテータと事務局でアーティスト(障害のある人または福祉事業所)とデザイナーの組み合わせを6チームつくり、チームごとに交流を深めながらアイデアの完成を目指しました。

観戦日は、顔合わせを兼ねて楽天生命パーク宮城で試合観戦。観覧車のあるスマイルグリコパークでスタジアムの熱気や雰囲気を楽しみながらチームごとに交流を深め、それぞれ気になったモノやコトをスケッチしたり写真に撮ったりしました。

 

(3) 48時間デザインマラソン

実施日: 2018年8月24日(金)–8月25日(土) 各10:00–16:00

会場:楽天生命パーク宮城

 

(3)-1 楽天生命パーク宮城で集中的にデザイン制作

野球観戦で見たもの、感じたことを障害のある人(アーティスト)が絵や文字で表現しました。

それをもとにデザイナーが課題のトートバッグ・タオル・自由商品にアイデアを展開していきました。

ファシリテータはグラフィックデザイナーで東京大学先端研特任助教のライラ・カセムさん。協働で行う商品づくりへのアドバイスをいただきました。

 

(3)-2 プレゼンテーション

ワークショップでは、トートバッグ・タオル・自由課題に取り組み、それぞれの特長を生かした新しいコラボグッズが提案されました。

最後にアイデアをプレゼンを実施。6つのチームがそれぞれ多彩なテーマで商品アイデアを発表しました。

アーティストの特性を生かしながら、野球観戦初心者や女性などの消費者目線に立ったものや複数の商品に展開できるものなど、ワクワクするような商品アイデアが披露されました。

 

(4) 採択―商品化まで

ワークショップで生まれたトートバッグ・タオル・キーホルダーのアイデアは、株式会社楽天野球団、ライラ・カセムさん、仙台市経済局産業政策部地域産業支援課、NPO法人エイブル・アート・ジャパンで審査し3点(チーム)のアイデアを採択した後、さらにブラッシュアップを行って商品化。楽天イーグルスの応援グッズとして同ショップで販売しました。

トートバッグ・タオルに関しては3チームを採択、キーホルダーは、6チームすべてのデザインを商品化しました。

 

(5) 楽天イーグルス ファン感謝祭で商品デビュー!!

実施日: 2018年11月23日(金・祝)

会場:楽天生命パーク宮城

生まれたデザインは応援グッズとなって店頭に並び、多くの方に手に取っていただくことができました。

楽天イーグルス ファン感謝祭に合わせ、スタジアム内 チームショップ、楽天イーグルス オンラインショップにて販売を開始しました。チームショップはグッズを買い求めるファンで溢れました。

また、デザイン選考の際に球団側が本多遼さんの「あいうえおイーグルス」を気に入り、デザインを再考して、子ども向けノベルティ「あいうえおシート」も制作・配布されました。

その後、12月からは、楽天イーグルスグッズショップ エスパル仙台店、仙台駅東口店、ウェブショップでも販売されました。

販売の詳細についてはこちらをご覧ください

 

事業実施に伴う成果

(1) デザイナーの発掘と協働、人材育成

・デザイナーと出会えるコミュニティとのつながりが生まれました。(コワーキングスペース「THE 6」、Fab Lab.「FLAT」など)

・20-30代の若手デザイナーの参画の機会が生まれました。(フリーデザイナー、企業デザイナーなど)

 

(2) 仙台市のイベント・スポーツ・観光資源などと協働したデザインマラソンの実施

・楽天野球団との取り組みが成立、モデル事業になりました。

・アーティスト、クリエイター双方にとって魅力的な仕事の可能性を秘めている機会となりました。

・仙台市では障害のある人、福祉施設とデザイナー、デザインコミュニティとの協働事例が増えてきました。他県にもこの活動は広がっています。

 

文責:NPO法人エイブル・アート・ジャパン(柴崎)

SHIRO Lab.チーム

アートディレクター:佐藤志保

ライター:関口幸希子 

カメラマン:三浦晴子

事務局:NPO法人エイブル・アート・ジャパン 柴崎由美子、坂部認、三澤一弥、佐々木えりな

クリエイターのための異分野協働機会創出支援事業

主催|仙台市 (事務局 NPO法人エイブル・アート・ジャパン)

協力|株式会社楽天野球団、公益財団法人仙台市スポーツ振興事業団、THE6、一般財団法人たんぽぽの家