2018年度は13施設で33回実施することができました

大事なことだからみんなに何度でも来るよ。だって、あなたは大切な人だもの。

 

暴力防止プログラムの継続実施をめざしている本プロジェクトで、継続実施が実現しているのは現在15施設。1年に一度の機会ですが、子どもたちは「またCAPか」と言いながら、実は待っていてくれたことがその笑顔から伝わってきます。「大事なことやからみんなに何度でも来るよ。●●さんは大切な人やもん」と私たちも笑顔で答えながら、今年も実施できてよかったと感じる時間です。

毎年実施していても、その度ごとに子どもたちの感じ方、意見は違い、年々落ち着いて、深く考えていってくれている変化がわかります。中には、今年措置されてきた子どももいて、職員や他の子どもたちと私たちCAPの関係性を見ながら、少しずつ信頼関係を築いていきます。不安だったり、不信感だったり、無力感だったりを言葉だけでなく、表情や座っている姿勢、行動で教えてくれる子どもたち・・・。施設の日常生活で見せる姿との違いに職員が驚いたり、感動で涙したり・・・。子どもワークショップは、職員が子どもたちの様子を見ながら、子どもたちのケア、そして退所にむけた日々をどう支えていくのか、子どもワークショップで、子どもと共に持った言葉やCAPの考え方をどう活かしていくのかを考える時間でもあります。

 

~子どもワークショップに同席された職員の方からの感想の抜粋~

 

<子どもたちのワークショップでの様子を見ながら感じたこと―子どもたちの持つ力>

・子ども達がとても素直に話しを聞いている事、話をよく理解している姿におどろきました。

・自分で考える良い機会になったと思います。ロールプレイも想像しやすい設定であったのでよかったです。高学年になると日常から色々なことを思って生活していることも分かりました。

・事前にCAPのワークショップがあることを伝えたところ、「あー、あんしん、じしん、じゆうだね!」と多くの子どもから聞かれました。今日の様子を見ても、照れながらも自信を持って発言することが多く、覚えてくれているのだなと感じることができました。

・子どもたちが積極的に参加できていました。特に、役になって演じることで具体的な行動を理解することができていました。

・とても分かりやすかったです。子どもも嫌がることなく最後まで話を聞いており、子どもを引きつける話し方も勉強になりました。

・今年も小学生を対象に子どもワークショップを実施していただき、半数の子どもたちが初めて参加しました。聞く姿勢や、就学前のプログラムの方があっているのではと思う子どももいましたが、アンケートやトークタイムのお話から、何かしら子どもたちの心に届いていることがわかりました。特に、初めて参加する子どもから、家庭にいる時にCAPのことを知っていたらよかったと話していたので、もっともっと地域や学校で学ぶ機会がたくさんあったらと思いました。

・子ども達に自分の身を守る実践的な方法を教えることの大切さを感じることができました。劇等では、積極的に参加する姿が見られ、体験を通して学べているのだろうかと感じました。学んだことを子ども達も自分も意識できるよう日々の会話に使用していきたいと思います。

・幼児さんにとって何が安心なのかと感覚的なものを伝えていくことの難しさ、大切さがあると感じています。でも、CAPを通じて、子どもたちの受け答えを見て、意外とわかっているんだなあと感心しました。

 

<継続実施をすることの意義―大切なメッセージを繰り返すこと、日常で使える道具になっていく―>

・毎年参加している子どもたちは、しっかり覚えているので、できる限り続けて自信になるといいと思いました。

・事前の打ち合わせを丁寧にやってくださることや、数年の積み重ねがあり、子どもの中にも話が入っているのを感じます。身の守り方や、違和感のある距離について等、同じ内容をくり返すことの意味を感じています。

・「安心、自信、自由」の権利は子どもたちにとって何よりも大事なことですが、概念的なものであり、小さい子たちにいざそれを説明するのは、意外と難しいと思います。その点CAPはワークショップで身ぶりや劇を交えて分りやすく説明してくださり、子どもたちにも自然に伝わっていました。これからも続けてこうしたワークショップの機会があれば、子どもたちの理解もより深まると思います。

・寸劇の内容も変わらず、子どもたちもよく分かっているように感じました。すでに知っているということが子どもたちにとって安心材料なのだということを感じています。くりかえし伝えることで少しでも体験を積み、いざという時に行動できるといいなあと思います。