カンボジアの農村地域では十分な医療体制が整っておらず、保健教育も充実していません。そのため、多くの人々が健康の危機に直面しています。その中でも、大きな被害を受けやすいのが子どもたちと妊産婦さんたちです。例えば、感染病がまん延しやすい、出産環境の衛生状態が悪い、などの課題が挙げられます。新しい命にも危険がおよびざるを得ないような厳しい状況です。
まず、現地の方々から現状や課題をヒアリングしました。その後、現地の方々とグッドネーバーズのスタッフとの話し合いで、どのような施策ができるのかを検討しました。
グッドネーバーズは、「保護と予防」「健康的なライフスタイルの促進」「教育と発展」のキーワードを軸に、支援活動を行いました。
活動内容としては、医療施設の設立や、診療機会の提供、研修の実施など多様に及びます。
何か不安なことがあった時に頼るあてがあること、また健康的な習慣を身につけることで、心身ともに救われる人々がいます。
具体的な支援活動を紹介します。
●移動歯科診療車の施用
歯の健康を保つことは、体全体の健康を保つために大切なことです。
グッドネーバーズは現地の団体と協力し、子どもたちに歯に関する保健教育や、移動歯科診療車を通して検診を行いました。
移動歯科診療車で検診を受ける様子
子どもたちに歯ブラシセットを配布
これにより、約3,000人の子どもたちが恩恵を受けました。
日常的に歯の健康を意識することで、高い費用がかかり、長期間に及ぶ歯科治療の防止につながります。子どもたちの本来の任務である勉強や遊びに、より励むことができます。
●産院病棟の設立
カンボジアのバタンバン州では、産院の院数不足と衛生面が問題視されています。
グッドネーバーズは、産前産後ケアルームと外来患者待合室の改修を行いました。また、病院スタッフとボランティアスタッフへ、産前産後ケアや性教育に関する研修を行いました。
産前産後ケアの研修を行う様子
これにより、産前ルームでは1,038人、産後ルームでは245人、外来患者待合室では158人の女性たちが一年で利用されました。
●健康促進プロジェクト'Good Health Center'の立ち上げ
カンボジアのシェムリアップ州では、正期産の妊婦さんたちをケアする産科施設を支援しました。
施設の設立や診断の実施に加えて、人材育成に取り組みました。現地の人々への研修を通して、安全な出産や、正しい産前産後ケアの理解を目指しています。
シェムリアップ州の産院
シェムリアップ州で妊娠出産を経験したPen Ninさん
以前、シェムリアップ州で妊婦出産を経験をしたPen Ninさんは、一度も産前ケアを受けることができず、大変な思いをしました。
しかし、プロジェクト促進後の二度目の妊婦生活の際には、たくさんの支援が提供されました。
例えば、医療スタッフと定期的に話し合う機会があったり、尿検査や血液検査といった各種検査を受診できたり、医薬品が提供されたりといった支援が充実していました。その後も、産後ケアや子どもの健康診断が行われ、彼女にとって気軽に相談ができる、頼れる場となりました。彼女は大きな安心感にあふれています。
当院長からは、「妊娠ケアに興味を示す患者さんは増えています。妊産婦さんたちはサービスを喜んで受け入れ、満足されています。」と嬉しい声が聞かれました。
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